IPweの新たな無形資産管理プラットフォームのご紹介
2021年4月、IPweは、IBMと協業して「特許NFT」を開発することを発表しました。
その特許NFTを実現する「IPweスマート・インタンジブル・アセット・マネジメント・プラットフォーム (SIAM) 」がいよいよ稼働開始！
IPweのSIAMは、独自のAIでお客様の特許ポートフォリオの質や有効性、価値を分析して経営に役立つ指標と答えを提供し、また、ブロックチェーン技術により実現したIPweデジタル資産（特許NFT）を用いて、特許データを安全に保管し、特許の活用（マーケットプレイスでの取引、プール、融資）までも可能とするプラットフォームです。
知的資産について会社全体での議論を可能に
昨今のコーポレートガバナンスコードの改訂に伴い、知財・無形資産の投資・活用について、いかにわかりやすく情報開示するかが多くの企業の課題となっています。
経営幹部にとって、知財・無形資産が重要ということは理解されてはいても、必ずしもわかりやすいものではありませんでした。
IPweのSIAMは、スタートアップから大企業まで、ビジネスや財務のエグゼクティブから知財の専門家まで、誰もがビジネス、技術、法律、財務のレベルで協力し、効率、価値、機会、イノベーションを高め、知財・無形資産をよりよく管理できるようにします。
こちらに表示されている画面では、自社の特許資産の価値や格付けが表示されています。
単なる特許の出願件数や取得件数だけでなく、特許資産の価値や、特許資産から生み出される収益を見える化していくことで、特許が重要な経営指標に組み込まれていくことが期待されます。
特許の活用（収益化）を前提としたプラットフォーム
特許を活用しようとする場合に直面する課題を最新のデジタル技術を使って解決することで、特許をシンプルでわかりやすいものに変え、特許を活用しやすくします。
IPweのSIAMでは、お客様がアップロードした特許をAI（人工知能）が評価し、収益化できそうなものを見つけ出します。そして、その特許の価値を金銭的に表示してくれます。
グローバルな特許取引市場 - スマート・トランザクション・マーケットプレイス
お客様がその特許を売却またはライセンス供与をすることにした場合は、IPwe SIAM上で運営されている特許市場に出品することができます。スマート・トランザクション・マーケットプレイスは、ブロックチェーン上に構築され、人工知能を搭載した世界初の特許市場です。
スマートコントラクトで取引プロセスをコントロール
スマートコントラクトは、予め設定されたルールに従ってトランザクションを自動実行するものです。IPweプラットフォームでは、契約の実行や、請求書の送付、所有者の変更などの特許取引のプロセスを、スマートコントラクトを使ってコントロールしています。これにより、特許取引のプロセスの透明化と標準化を実現しようとしています。
IPweデジタル資産（特許NFT）とは？
NFTは、それぞれが固有のものである特殊なトークンです。１つ１つが固有のものであるため、アートやゲーム内のアイテムなどのデジタルアセットと関連付けて、そのアセットを保有する権利などを認証するために使用されています。
IPweデジタル資産は、事業資産を対象とする最初のNFTと言え、その特許の権利者や取引履歴などの情報が記録されます。
ブロックチェーンに記録することのメリット
ブロックチェーンは、記録されたデータを改ざんすることが実際上困難です。
IPweのSIAMでは、取引履歴がブロックチェーンに記録されていくことで、権利者の最新情報が確実に記録されていきます。
各国の特許庁はそれぞれ特許原簿を管理していますが、特許庁の特許原簿の内容が必ずしも最新の状況を反映していない場合もあります。それは、移転登録するための手続きのコストを嫌って、その手続き自体を行わないことがあったり、手続きをしても、それが特許原簿に反映されるまでには、タイムラグがあったりするためです。
権利者の最新情報が記録されていないかもという状態は、取引リスクを高めます。また、そのリスクを低減するために人手でレビューする場合には、そのためのコストがかかります。
IPweのSIAMでは、特許取引が完了した場合には、瞬時にその取引の内容がブロックチェーン上に記録されますので、そのような取引リスクやコストを削減できます。
新しい特許の活用方法「スマートプール」
IPweは、このようなプラットフォームを開発したことに加え、このプラットフォームを利用した新しい特許の活用方法も開発しました。「スマートプール」と呼ぶものです。スマートプールとは、先進技術や新興技術のリーダー的な企業グループ（「ファウンダー」）が、関連する特許群をメンバー企業に一括してライセンス提供する仕組みです。
IPweのSIAMを利用することで、その管理が自動化され、運用コストを削減することで、会費が低く抑えられます。
これにより、ファウンダーにとっては、ライセンス機会が大幅に拡大され、また、自社技術の普及を促進し、研究開発への投資収益率（ROI）を向上させることが期待できます。
また、その会費は、会員企業の収益レベルに応じて設定され、中小企業やスタートアップ企業に負担が少なくなるように設計されています。これにより、少ない負担でライセンスを取得して事業活動の自由(FTO)が得られます。また、他社からの攻撃に対する防衛的なアンチトロール機能も提供していますので、特に、経営資源が限られ、自社単独で十分な特許ポートフォリオを構築することが難しい中小企業やスタートアップ企業にとって良いツールになるのではないでしょうか。
知財担保融資 - スマート・レンディング
また、具体的な指標では通常の信用融資にアクセスできないが、優良な知財を豊富に保有している企業のために、IPweのSIAMを通じて、資金調達の機会へのアクセスも可能となります。現時点では、米国・欧州のみで提供されているサービスですが、準備が整い次第、日本でも提供される予定です。
以上、IPweの新しい無形資産管理プラットフォームの概要を紹介させていただきました。
ぜひ皆さまの知財・無形資産の管理・活用のためにご検討ください。