和牛の遺伝資源を知的財産として保護へ

和牛は、日本の育種家によって長年にわたって改良されてきた日本種の肉牛です。現在、日本では、和牛などの家畜の精子や受精卵などの遺伝資源の保護を強化することが検討されています。

実は和牛の遺伝子資源は、1998年頃までは商業利用のために輸出されていましたが、和牛の市場をコントロールするために、それ以降は輸出が行われていませんでした。ところが2018年、和牛の受精卵や精液が所定の輸出検査を受けずに中国に持ち出された事件が発覚しました。

当時、このような行為を規制する法律はありませんでした。そこで政府は、輸出先での感染症の蔓延を防ぐことを目的とした「家畜伝染病予防法」を適用して、その人物を罰することに成功しました。この事件をきっかけに、和牛の遺伝資源の保護を強化するための検討が始まりました。

2020年1月20日に発表された 報告書 では、和牛などの優良家畜の遺伝資源は、知的財産としての価値を有しているため、特別な保護が必要であるとし、 そのような遺伝資源を不正に入手したり、不正に譲渡したりする行為を制限し、そのような行為に対する差止や損害賠償、場合によっては刑事罰を認めるべきであるとしています。

このレポートでは和牛に焦点を当てています。法案で保護されるべき家畜の範囲がどのように定義されるのかは現時点では不明です。このような法的保護に加えて、真の和牛を識別するための追跡システムの開発も期待されますが、過去に和牛の遺伝資源を輸出した事実があるため、そう簡単ではないかもしれません。

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