日本で特許出願して、インドで特許を速く取得する

2019年11月21日、日本とインドは、特許審査ハイウェイ(PPH)の試行プログラムを開始する合意文書に署名しました。PPHとは、他の特許庁での調査・審査結果を活用して、特許取得を促進する協力プログラムです。このような特許取得促進プログラムでインドと協業するのは日本が最初の国となります。

インドでは、 報道によれば、 特許を取得するまでに約7年かかるそうですが、このPPHプログラムを使えば、日本の特許に対応するインドの特許を1年半で取得できるようになる見込みです。  

この協定では、インド特許庁が受け付ける技術分野は、コンピュータサイエンス、情報技術、機械、自動車などに限定されており、医療やバイオテクノロジーは含まれていません(ちなみに、日本特許庁側では制限はありません)。また、最初に日本かインドに特許出願している必要があります。 

日本がさらにインドと協議して、PPHの対象をMOTTAINAIにまで拡大することができれば、本当に素晴らしいことだと思います。PPH MOTTAINAIの方が使い勝手が良く、MOTTAINAIプログラムでは、先行審査庁 (OEE)と後続審査庁 (OLE)がPPH MOTTAINAI協定を結んでいれば、出願人は先に審査した先行審査庁の審査結果を利用して、後に審査する後続審査庁でPPH申請を行うことができます。 

日本の特許庁は、質・スピードともに優れた審査サービスを提供しています。2017年度における特許審査の権利化までの期間(審査請求から権利化までの期間)は平均で14.1ヶ月だったそうです (特許庁ステータスレポート2019). 

そうすると、日本とインドがMOTTAINAIプログラムの協定を締結すれば、外国人出願人の中には、インドで速く特許を取得したいがために、日本で特許出願をしようと考える人も出てくるかもしれません。これは、特許出願数が減少している日本にとっては朗報となるでしょう。 

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