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ユニクロの特許紛争事件に見る中小企業による特許の活用の困難さ

UNIQLO checkout machine

2021年5月20日、ユニクロを展開するファーストリテイリング社は、IT企業のアスタリスク社と争っていた特許訴訟に敗訴したとのニュースが 伝えられました。  アスタリスク社は、 セルフレジに使用されている商品のタグの情報を読み取る技術の特許 (JP6469758) for technology of reading data from RFID tags attached to the products, which is used in self-checkout machines. Then, they required Fast Retailing to pay license fees for the self-checkout machines used at UNIQLO. However, 報道によれば、ファーストリテイリング社は、この特許は無効にされるべきものだから、ゼロ円でのライセンス提供をアスタリスク社に要求していたとのことです。

アスタリスク社は、2019年9月24日、ファーストリテイリング社を相手取り、特許権侵害行為差し止めの仮処分を求めて東京地裁に申し立てを行っています。 しかし、今回報道された知財高裁判決は、この差し止め事件についてのものではなく、ファーストリテイリング社が当該特許の有効性を争うために2019年5月に特許庁に請求した無効審判についての事件についてのものです。 特許庁は特許の一部が無効にされるべきとの審決を出したが、知財高裁はこれを覆して、当該特許は有効と判断したものです。 これでようやく、アスタリスク社は、ファーストリテイリング社と特許侵害の議論を始められるのです。

資金が豊富でない中小企業には酷な現状

この紛争に限らず、特許権保有者が特許のライセンス料を要求すると、ほぼ必ず、相手からはその特許の無効を主張されます。お金をかけて特許庁の審査を経て特許を取得して、いざマネタイズしようとすると、特許保有者は、その特許の有効性から議論しなければならないのです。

このプロセスには時間がかかります。今回の紛争でも、ファーストリテイリング社が無効審判を請求したのが2019年5月ですから、当該特許が有効と判断されるまでに2年かかっています。また、この手続きのためにはお金がかかります。 私は、本来特許されるべきものでない特許を支持するつもりはありません。 ただ、このような不安定な権利は、特許権者、特に資金に余裕のないSMEには酷だと思うのです。

訴訟ファイナンスのような仕組みもあります。しかし 、この仕組みは、認められる損害賠償額がある程度高くないと成り立ちません。 日本でも、高い損害賠償額が認められるようにするための議論はしています。 しかし、実損害を超える損害賠償が認められない状況である限り、特許権者も資金提供者も勝者にはなれません。

資金不足の中小企業を救うために、公的資金(すなわち私たちの税金)を使って援助する解決方法もあるかもしれません。しかし、税金を使うのではなく、資本主義的に解決しようとするのであれば、資金提供者が稼げるような環境を用意しなければならないのかもしれません。

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