コロナウイルス感染が再拡大している中、いよいよ東京オリンピックが始まります。今回のオリンピックは、その開催や運営上の問題やスキャンダルなど、メディアの話題に事欠きません。
このオリンピックでは、コロナ感染リスクを懸念して、大半の競技は無観客の会場で行われますが、制限を設けながら観客を入れて行われる競技もあります。サッカーが行われる茨城県鹿嶋市では、地元の小中学生だけが観戦できることにしました。なんとラッキーな子供たちでしょう!ただ、学校がその子供たちの保護者に送った文書について苦情が殺到してしまったそうです。
その文書は、スタジアムに持ち込む飲み物については、できる限り、コカ・コーラ社製の商品にすること、また、他社の商品の場合は、その商品ラベルを剥がすように指示する内容でした。東京オリンピックのスポンサーであるコカ・コーラ社に配慮したためのものでしょう。とすると、ユニクロもスポンサーなので、ユニクロの服を着て観戦しに行くことが期待されているのかもしれません。このような対応は、スポンサーに良くないイメージを与える結果になってしまう可能性があります。
商標として機能するボトルの形状デザイン
ところで、商品のラベルを剥がすことを要求したのは、他社の商品の商標(商品名や会社名)がテレビ画面に映り込むことを避けたかったからでしょう。
しかし、たとえラベルを剥がしても識別できる商品もあります。たとえば、その飲料のボトルの形状が特徴的な場合、ボトルに表示された商品名をチェックしなくても、消費者はそれがどの商品かわかるかもしれません。特徴的な形状を長年にわたり継続して使用することにより、消費者がその形状とその商品の出所とを結びつけることができるようになることがあるのです。
たとえば、右のボトルの飲料はわかりますか?
そうです、コカ・コーラです!
実は、このボトルの形状(「コカ・コーラ」や「Coca Cola」の文字が記載されていない)は、2009年に日本で商標登録されました(商標登録第5225619号)。
コカ・コーラ社は、このような形状のボトルであればコカ・コーラであるという連想を消費者の頭の中に作り上げ、このボトルをブランドシンボル・商標として機能させることに成功したのです。
このように形状デザインは、商品の美観を高めるだけでなく、ブランド化にも役立つことがあります。あなたの製品の形状デザインが、どのような付加価値を提供しているか確認してみてはいかがでしょうか?
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