アルゴリズムの変更に伴う責任

今や私たちの生活のいたるところでアルゴリズムが動いています。

Amazonで私の商品購入履歴に基づいた商品を推薦してくるくらいなら大した問題はありませんが、個人の信用力や店の評価などについては、そのスコアによっては深刻な影響を与える場合もあります。

昨年の5月、韓国料理店チェーンが、飲食店情報サイの運営会社を東京地裁に訴えました。サイト運営会社が飲食店評価のアルゴリズムを変更したことで、同チェーン店の評価が下がり、売上高も急減したからです。チェーン店側は、これはチェーン店を不当に差別する独占禁止法に違反する行為だと主張しました。

この事件について、公正取引委員会が意見書を裁判所に提出したことが最近報道されました。報道によれば、その意見書は、評価の点数を算出するアルゴリズムの一方的な変更で、特定の店の評価が大きく下がるなどすれば、独占禁止法に違反する恐れもあると示唆するものだったそうです。

現在の状況を見ると、独占禁止法に抵触しているのではという方向で調査をしているようです。しかし、この事件では、サイト運営会社は、このチェーン店を狙い撃ちして、意図的にアルゴリズムを変更したわけではないでしょう。アルゴリズムの変更により影響を受けた全ての者に対して責任を負わなければならないのでしょうか。もっとも、アルゴリズムの公開や説明は必要かもしれませんが。

判決は2022年春にも言い渡されるとのことですので、結果を待ちましょう。