IPweは知財担保融資を促進するか?

「IPweは金融機関の担保として知的財産を利用することを促進すると思いますか?」という質問を最近受けました。

実は、日本では数年前から、知財に基づく融資を政府が促進しています。政府は、金融機関のために知財評価にかかる費用を負担しています。ただ、現時点ではまだ、金融機関は、その評価報告書を、実際の融資判断のための重要な資料としては位置付けているわけではないようです(*1)。

金融機関が担保として知的財産を利用する上でのチャレンジは、概ね以下のようなものではないかと思います。

  • その特許の担保価値の評価が難しい。特に、評価額が実際の市場の相場と合っているかは疑問が残る。
  • 特許が無効とされるリスクがある。
  • 特許をその評価額で市場で現金化することができるかは定かではない。

IPweは、AI技術を使って、過去の類似特許技術の取引も考慮して、特許の評価を行い、その特許を商業化しやすいものかどうかについても情報を提供しています。また、その特許が無効になる可能性についての評価も提供しています。そして、融資先が返済できなくなった場合には、金融機関は、融資した資金を回収するために、その特許をIPweプラットフォームを通じて売却することができます。このように、IPweは、従来の課題を解決しようとしています。

ですので、最初の質問に対する私の答えは「イエス」です。 

とはいえ、現時点ではまだ、特許市場は多くの企業や金融機関にとって特別なものです。買い手も売り手も市場への参加者はまだ多くありません。ですから、時間はかかるかもしれません。

IPweがより多くの企業が特許を活用しやすい環境を作り上げていくことを期待しています。

参照:

*1: 日本の地方銀行が知的財産情報を利用して融資の可能性を高める